空気の澄んだある朝、空を見上げると空一面にきれいなうろこ雲。思わず「うわぁ きれい!」と声がもれました。この感動を子どもたちと分かち合いたいと思い、登園してくる子どもたちに「そらをみてみて!」と声をかけると「うろこぐもだ! おさかなみたいだね」と表現する子どもがいたり、「しゃしんとったよ」と話してくれたりしました。『その手があった!』と思い、朝の受け入れが終わって、秋の美しい空を写真におさめたいと空を見上げると、秋の空はすっかりその様を変え、すじ雲があるくらいでした。「くもってさわれるかね?」「さわれるといいね どうやったらさわれるかな~」「くもってほんとにあるんかね?」「あそこにあるじゃない?どうして?」「だって、ちかくにいったら とうめいになるきがする…」これはその時の子どもとの会話です。雲一つとっても、子どもたちは心をぐるぐると巡らせていることに触れ、嬉しい朝となりました。
 これからの季節、子どもたちは秋の虫や木の実に落ち葉など、いろいろな“もの”と一緒に登園する姿が増えてきます。先日、枯れてところどころ破れた落ち葉をひらひらさせて「ちょうちょ」と言いながら見せてくれた子どもがいました。「ほんとだね~ ちょうちょさんだ」と声をかけると、弾んだ様子で担任のもとへ行きました。また、モミジフウ(アメリカフウ)の葉っぱを手にして、「てんぐのはっぱ(うちわ)だよ」とみせてくれる子どももいました。変形して曲がった落ち葉の中にだんご虫を入れて、大事そうに見せてくれる姿もありました。葉っぱがちょうちょになったり、うちわになったり、だんご虫のお家になったりと子どもたちの豊かな感性に嬉しくなる日々です。
 また、それぞれの保育室に、栗が届きました。緑色の殻斗(いがいが)と茶色くなり裂開して中の栗がみえるものなど見事な栗でした。その栗をみて思わず、“♪おおきなくりのきのしたで~”と口ずさむ子どもや、「でっかいね~」「ハリネズミみたい!」「(栗の実を触って)ツルツル きもちいい!」など感じたことを話してくれる子どもたちでした。そして、「くりごはん おいしいよね」「ほくほくしとるよね」「パイ(栗)のにおいがする!」など秋の味覚に思いを寄せる子どもたちでもありました。正直、子どもたちが栗のことをいろいろと知っていることに驚きました。ハウス栽培や二期作により、作物の“旬”が分からなくなることもありますが、“栗”だけはこの時期にしか食べることができないといつも感じています。正に今が“旬”ですよね。
旬の美味しい食材が食卓に並ぶ食欲の秋。不思議がいっぱいの秋。五感を研ぎ澄まし、さまざまなことに心揺さぶられながら、神さまからのお恵みに感謝して、心も体も豊かな日々を過ごせますように…。

園長 松尾 栄理香