園庭のもみじが青々と茂り、新緑の季節を感じています。この一ヶ月の間に、うす黄緑色の弱々しい新芽から、ぐんぐんと生長し鮮やかな緑へとその様を変えました。季節は春から初夏へと移り変わり、子どもたちが身にまとっていた洋服も、上着がとれ、長そでから半そでへと軽装となりました。身軽になった子どもたちは、風を感じながら軽快に活動しています。

 見通しが良くなった園庭では、こいのぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。先日、子どもたちが自分で作ったこいのぼりを誇らしそうに見せてくれました。その表情は何とも嬉しそうでした。子どもたちの作る“こいのぼり”は一人ひとり違っていて、それぞれ頼もしい表情をしています。大人の概念からは想像もつかないような“こいのぼり”もありますが、丁寧に観ていくと、子どもの思いが伝わってくるようです。うろこ一つとっても、マジックやクレパスで描きこんでいたり、色紙や画用紙、布などを貼ったりして表現しているものもあります。また、その形もさまざまです。年齢ごとに、基本となる素材は準備されていますが、どう表現するかは自由で、他にどんな素材を使うのかも子どもたちが自分で選び、製作を楽しんでいます。ある子どもが、大きなこいのぼりと小さなこいのぼりを作りました。棒に、その大小のこいのぼりをそれぞれ付けるのかと思っていたら、その子どもは、大きなこいのぼりが小さなこいのぼりを抱くように、二つを重ねて貼り付けました。担任からその様子を聞き、見せてもらうと、確かに大きなこいのぼりの真ん中に小さなこいのぼりがいました。まるで、大きなこいのぼりが小さなこいのぼりを守っているかのようでした。感じたままに表現できる子どもの感性に、その作品に、愛おしささえ覚えます。これから、子どもたちがいろいろな作品を持ち帰ると思いますが、概念に縛られない子どもたちの感性に心を寄せて、丁寧に観ていただけると幸いです。
                                                       園長 松尾 栄理香