秋空高く、さわやかな日が多くなる10月。実りの秋となりました。子どもたち一人ひとりが、自分の遊びに、友だちとの遊びにたっぷりと時間をかけられる季節です。運動会を経験した子どもたちは、クラスの友だちとのつながりを感じ、仲間意識が高くなり、遊びの幅もぐんと広がります。
 先日、運動会の練習をする子どもたちについて、幼稚園近くの公園に行きました。公園で遊ぶ子どもたちを残して、私は一足早く幼稚園に帰ろうと公園を出ようとした時、ふと空を見上げると、雲一つない真っ青な空。「きれいだな~。」と思いながら、目線を少し下げると、青い空をバックに、緑のクヌギの木が映えて何とも美しい光景に出会いました。よ~く観ると、そのクヌギの木にはまだ青いどんぐりがたくさん実をつけていて、空の青さとどんぐりの緑のコントラストが絶妙で、またその出会いにちょっと得をしたような、幸せな気持ちになりました。そして、更に目線を下げて、足元を観ると、なんと茶色に色づいた真ん丸太っちょのどんぐりがあるではありませんか。思わず、「どんぐりだ~」と呟いて、どんぐりを拾い上げました。周りを見わたしたのですが、茶色のどんぐりは、その一つだけでした。童心に帰った私は、ツルツルに光っているどんぐりを握りしめ幼稚園へ向かいました。歩く道すがら、「嬉しいな~!いいことあったな~!」と何度も心の中でつぶやきながら、足取り軽やかに幼稚園に戻りました。この一瞬のうちの嬉しい三度の出会いは、煩雑な日常を送っている私への神さまからの贈り物かもしれないと思いました。久しぶりに味わった感情に、心は青空のようにぱっと晴れ、忘れていたものを取り戻したような、懐かしいようななんとも幸せな気持ちがこみあげてきました。子どもたちは、日常の中でこんな出会いをたくさんしているのだと改めて感じることもできました。
『目に見えないものを大切にする』ことを心にとめて、子どもたちとの生活を過ごしていますが、意外に目に見えるものを見ないで、近くにある小さな出会いに気づかずに過ごしているのではないかと思いました。子どもの見える世界が、どれだけ私たち大人にも見えているのでしょうか⁈
深まりゆく秋、皆さんも、五感を十分に働かせて、身近なところにある嬉しい発見や出会いをしてみませんか?

園長 松尾 栄理香